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2010/07/02

オシム氏の言葉

日本代表が南アフリカから帰国。
関西空港で出迎える大勢のファンの姿を見て、岡田監督が「なんじゃこりゃ?」

「こんなに感動したのは初めて!」、「ありがとう日本代表!」
今の若者にとっては、すごく新鮮だったようです。

1人でも多くの日本代表(にわか)ファンが、Jリーグにも足を運んでくれるといいですね。
イ・グノが抜けてしまって戦力ダウンかもしれない磐田ですが、
岡田ジャパンの駒野と川口がいますので、どうぞよろしくお願いしま~す。

とりあえず囲み会見での駒ちゃんの吹っ切れた顔を見て、ホッと一安心です。

カメルーン戦 1-0
オランダ戦 0-1
デンマーク戦 3-1

決勝T パラグアイ戦 0-0 (PK3-5)

■6月30日(水) パラグアイ戦後のスカパー放送より

倉敷:私たちの日本代表、今日の試合はいかがだったでしょうか?

未来というものは過去に起きた出来事によって創られるものです。今日の試合は未来にとって良い意味で、こういうことを示してはいけないという見本でした。

今日の試合をひと言で言えば、自分たちが成し遂げたい一歩先のステップと、現在自分たちがいる場所との間の中途半端な地点で終わってしまったという結果でした。この試合だけではないと思うんですけど。

イーブンの条件で行ったわけですが、先に進みたいという意志の強いパラグアイの方が結果的に、かすかな差ではあったけれども勝ったということです。

この試合の中で、もっと改善すべきところは何か、もっとうまくできたはずだったところは何かということを、もっと考えるべきです。つまり相手に勝たせないというサッカーなのか、それとも自分が勝ちたいというサッカーなのか。

決勝トーナメントに進んで、このような勝つ可能性の高い相手と再び対戦するチャンスはめったになかったので非常に残念です。

問題はまず準備の段階で、自分たちのプレーに自信を持っていなければ、実際の試合が始まって勝つのは難しいです。つまり信じるのか信じないのか。全員を信じるのか誰も信じないのか。

私の印象としては、カメルーン戦で勝った、良かったイメージを壊さないように、それだけを大事にしようというような印象がありました。それは簡単なことじゃないんです。

試合の前半は非常に良い戦術で始まったと思います。パラグアイ相手に何もさせないんだという気迫で。その時に勝つために必要なことを全部したかというと、そうではない。それが非常に残念です。勝つために必要なことは何かということを選手全員が考えていない。

つまり自分の力だけでゴールをあげることができるという誤解に基づくプレーがあったということです。このようなプレッシャーのかかる試合ではそれは無理です。グループで突破しなければいけない。残念です、本当に残念です。こんないいチャンスは、めったにあるもんじゃなかったんですけどね。

まず教訓をどう引き出すか。そしてこのWカップで日本はまず自信を手にしたことだと思います。そしてこの自信を基礎にして、しっかり戦えば今後、Wカップの予選を突破するのかしないのかということは問題にならない、つまりWカップの本大会に出場して、当たり前のそういう日本としてWカップでどこまで勝ち進むのかということを意識したトレーニングができる。

私は今日PK戦を最後まで見てしまいましたけども、Wカップの試合をこのような形で延長戦の後、決着を付けるのはふさわしいのかどうか、もっといい(エレガントな)方法があるんではないかというふうに思っておるんですが。FIFAとルール評議会はそのことをもう1回検討して欲しいです。

90分+延長戦、120分戦った後で、ルーレットのようなPK戦に臨まなけきゃいけない彼らの心境を思いやって下さい。

私から言えばですね、「こぼれたミルクは戻せない」ということわざがありますけれども、今日の日本はミルクをこぼしてしまった、残念だったということです。今日のPK戦をもって、Wカップからさよならしなければいけない。非常に残念です。

しかしこの結果は準備の段階から、「ここまでしか来れなかった」というそういう結果だというふうに考えなければなりません。

選手やスタッフはよくやったと思います。これから日本のサッカーファンでない人の目を開かせる戦いだったと思います。1番の刺激は選手たち自身が自信を持ったことです。つまりチームの外で誰が何を言おうが、それは気にせずに自分たちがこうだと思った方向で準備を進めれば、結果が出るということです。

そして今回のWカップについて言えば、どんな強豪とも日本はかなり対等な試合をすることができるということが証明されました。もう少しだけ、ほんの少しだけ勇敢であれば、勇気を持ってリスクを冒すことができれば、もっともっといい試合内容、あるいは結果を手にすることができたかもしれません。

私は日本史を少し読んだことがあるんですけども、日本人は歴史を通じて勇敢さを保ってきた民族だというふうに考えておりました。侍の時代にしろ、あるいは戦争中の神風の攻撃にしろ、勇気がなければできるものではありません。

しかしサッカーでは自分の命をピッチの上で失う危険はないわけです。もっと勇ましくリスクを冒して戦うべきだったと思います。

まあ今日は選手たちは寝れるかどうか分かりませんけれども、よく休んで欲しい。そして明日から今後について考えて欲しい。まず1勝したところで巻き上がった陶酔状態、これは正しかったのかどうかということも考えるべきです。それを放置しておけば誤った方向に導きますよ。

もちろん注目すべき前進を遂げた選手は何人かいます。しかしゴールを挙げた選手だけが注目される、そういう評論がまかり通る日本のサッカーのレベルというのは、メディアを含めてもっとレベルアップしなければいけないと思います。

それに結果だけで批判することは誰でもできることです。試合の内容や準備の内容からどんな教訓を引き出すか、それが1番大事なことです。

私の考えでは勇気が少し足りなかった。リスクを冒すのが少し足りなかった。そこが直れば、もっと先へ進めたはずだと残念に思います。相手の方が強かったという言い訳は今日は通用しませんよ。

自分こそが努力して進むことができる。自分が世界のサッカー界の見本になるんだ、そういう意気込みがもう少し見たかったです。

ヨーロッパでのサッカー界は日本のサッカーのスタイルについて、戦い方について非常にポジティブな評価をしています。スタイルや、あるいはプレーの1つ1つ取り上げて日本のサッカーの試合をテレビでも紹介しています。つまり世界が今日本に注目している。注意を引いたのだから、もっと、もう1つ何かを示して欲しかったです。

しかし選手はよくやったと、おめでとう、というふうに申し上げたいと思います。

倉敷:Jリーグで明日からできること、やるべきこと、スローガンやテーマ、勇気というようなテーマでJリーグを戦っていけばいいのかアドバイスいただきたいのですが。

良いプレーをするということですね。ただモダンなサッカーをするということですね。Jリーグでもっとたくさん走る、Jリーグでもっとリスクを冒すサッカーをする。それがなければ代表だけ短期間でリスクを冒せるような勇気を身につけることはできません。

つまりJリーグのレベルアップをしなければいけない。Jリーグのサッカーの質を上げきゃいけない。

ですからサッカーファンの皆さんも、Jリーグはどうでもいいから代表だけでいい、というのは止めて欲しい。Jリーグの試合をよく見に行って、そしてサッカーをもっと良く知って欲しいですね。

選手たちはJリーグの1つ1つの試合の1つ1つのプレーのレベルを上げて下さい。ナビスコカップも同じです。アジアカップに行くにしてもそうです。アジアチャンピオンズリーグもそうです。1つ1つの試合のディテールにこだわって、レベルアップを図って欲しいと思います。

そしてファンの皆さんには、もっと選手にプレッシャーを与えて下さい。プレッシャーをかけて、選手がプレッシャーに強い体質改善ができるような、そういう応援の仕方をして下さい。

リーグの間でクラブ同士の競争をもっと激しくして欲しいですね。何何ダービーというのは、もっと強力に進めたいですね。そしてそういうところでの経験を積めば、今日のような非常にタイトなプレッシャーのかかる試合で、神経を正常に保つことができるということになるわけですね。

ダービーマッチにふさわしい、そういう緊迫感のあるダービーが必要だということです。そのためには空っぽのスタジアムでプレーをしても何にもなりません。選手もつまらないし、見に来たお客さんもつまらない。スタジアムも満員にしようじゃありませんか。

なぜプレミアリーグがいつも満員なのか。それをただ考えるだけでは進歩がありません。ゲームの内容を見ればわかるじゃないですか。非常にアトラクティブなサッカーを毎試合やっています。それがレベルアップの印なんです。そういうことを日本も目指さなきゃいけない。

ちょっと長く話し過ぎました。残念でしたけれども選手、スタッフにはご苦労様、おめでとうと申し上げたいです。想像はできますけどね。私もここに座りながら戦っていました。

まあ、でも葬式じゃないんだから、もうちょっとにぎやかにやりましょう。終わったわけじゃない。サッカーはまだまだ続きますから。明日の日本のサッカーは今日のサッカーよりも良いサッカーになることを期待します。

★通訳の千田さんのブログ

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